全飛吹奏楽祭

全飛吹奏楽祭は、毎年9月に岐阜県飛騨地域内の中学校、高等学校、一般の吹奏楽団が集まって開催される音楽の祭典です。昭和45年に第1回が開催され、以来毎年9月に必ず開催されています。


第2回全飛吹奏楽祭の様子(昭和46年 飛騨体育館)

高山市民吹奏楽団と全飛吹奏楽祭●田中晃

もう20年にもなった。その頃の彼らは20そこそこの青年たちだった。市吹を結成するという。連夜コサカ楽器に集まっての相談が続いた。綱領を作り、吹奏楽を通じ地域の文化発展に寄与することが話し合われた。
結団に寄せられた援助と協力に応えて社会へ還元するものはないか問うた。学校での吹奏楽をやっている生徒たちに発表の場を用意し、音楽の振興に微力を捧げ たいという。早速、小・中・高校の音楽の先生方に趣意を訴え参加をお願いした。昭和45年、第1回定演を開いたその年の秋、第1回全飛吹奏楽祭が飛騨体育 館において華々しく開催されたのである。翌年から秋分の日に行うことが恒例となり、14回から文化会館へ会場が移された。
やはり、20年も前である。中学や高校の吹奏楽部の先生が時々集まって勉強会を開いたり、生徒のため講習会をやっておられた。それが発展して飛騨吹奏楽 研究会が誕生した。吹奏楽歳のプログラムに主催者として研究会の菜が載るようになった。し吹の念願の実現であった。企画・案内・調整・会場準備・舞台作り と進行・その他諸々の雑用、みなし吹の仕事である。中高生たちのためのサービスに歓びと意義を感じる青年たちであった。ソロ・アンサンブルコンテストや吹 奏楽コンクールの舞台裏を担当するのもし吹の仕事となった。
彼らはすでに40歳台、団員は何代も交替した。先生方も次々と教壇を去られ、新しい先生方が登場してこられた。参加団体も全飛騨に拡った。今日出演する 生徒たちが生まれたとき、すでに全飛吹奏楽祭はあった。人は何代替っても20年続いたこの祭典の生命力に不思議さを感じながら、ずっと世話を続けてきた団 長をはじめとするし吹の人々の存在を思うとき納得もいくのである。

第20回全飛吹奏楽祭プログラムより